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2009年11月03日
山縣百合子さんの織展@ギャラリーTOM
渋谷区松濤のギャラリーTOM、視覚障害者が彫刻に触って鑑賞することが出来るという独自のスタンスを持ったスペースです。TOMについての詳しくはこちらでどうぞ。
そのTOMで4日間だけ山縣百合子さんの織展が開かれました。面識はありませんが女子美工芸科の先輩でもあり、私がかつて染色作家を気取っていた頃に出品していた国展の会員作家でもあり、染物の師匠のつてで(←師匠も国展会員作家)布を仕立てたこともある山縣さん。残念ながらこの6月に病で亡くなられ、その追悼展に実母とクマ次郎と出掛けました。会場は丁寧に織られた布が静かに鑑賞者を迎え、その深い色合い…特に赤の色の美しさが印象的です。
古くは学生時代のものから今に至るまで、克明に記された仕事のためのノートや織の見本帳。
そして今回見たかったのはこの愛らしい素朴な子供服。山縣さんが自身の子供に、そして代が替わりその孫も着たということです。会場では女子美学生時代の柚木沙弥郎先生(ニコニコ愛想を振りまくクマ次郎を見て「ふふふっ、笑ってる」とのお言葉)やT先生(「あらー、あずさちゃん!」…こんな歳になっても「ちゃん」付けで呼んでいただきお恥ずかしい)にもお会いし、いきなりビューンと自分のルーツにも遡る思い…その制作過程は自身を喜ばせ、出来たものは生活を豊かに演出する手仕事。私もちょっぴりそういうところに関わっていることを幸せに感じた午後でした。
投稿者 あずさ*cheera* : 2009年11月03日 21:33