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2008年11月27日
蜜蝋に覆われて@トキ・アートスペース


トキ・アートスペースでは神野八重子さんのミクストメディア&絵画の展示。自身の写真(目を開けたものと閉じたものが対になっている)を蜜蝋で塗り込め、その上にはステンレスや真鍮の小さい玉による点字が散りばめられています。目を開けて文字を読む健常者は点字は見ることが出来ても意味がわからない・視覚障害者(ここでは目を閉じるというイメージ)は文字も点字も視覚認識することは出来ないけれど触れることで点字を読むことが出来る…同じコミュニケーションツールである文字であるのに日常あまり意識されないそのパラドックスを表現しているのかな?と質問をしてみました。神野さん曰く「その意味も含まれてはいるけれどこれは全てがセルフポートレイトの意味合い。目を開いて自分の心を見つめ、目を閉じて自分と外界の繋がりを見つめている…と言ったほうがいいかもしれない」写真(本当はシルクスクリーンですが)の上を覆った蜜蝋の質感がいいですね。柔らかさとちょっと湿気が感じられて…「そうなのよ、じめっとしてた方が好きで」…蜜蝋によって覆われた自身は完全に遮蔽されているのではなく向こう側に明らかに存在している、しかしその存在はクリアではない。「ふふふ、あからさまに見て見て!というのはどうも…ここにいる私をこっそり覗いて欲しい、みたいな感じかしら」こちらの質問に丁寧に答えて下さる神野さん、私の勝手な妄想では暖炉の前でペルシャ猫を撫でながらロシアンティーを飲んでいるという雰囲気なのですが、これまでの作品は金属を腐食させてみたりベニヤをグイーッと曲げた造形物を作ったり帆布を膠に漬け込んだものを組んでみたりと、どうしてどうして仕事はかなり男前。「その時々、精一杯仕事したから。楽しかったわね」と笑います。そのエネルギッシュな制作姿勢は見習うところ多く、最後に「子育てもしっかり楽しんで!」と励まされてしまいました。神野八重子展は30日までです。
投稿者 cheera : 2008年11月27日 20:23